三国志大戦：呉４-3 - 哀羅イラ

2007/12/28 (Fri) 23:32:09

☆続き

…
「ただいまもどりましたー」

サンタクロースの隠れ家の戸を太史慈が開くと、
………足元からうめき声が聞えた

「太史慈、助けてくれ」
「虞翻殿？！虞翻殿が助けを求めるなんて一体どれ程の緊急事態…」

太史慈がふと顔を上げると…
完全に出来上がってる孫堅と周瑜の姿が

「たいしじー…おまえものめー」
「どーせしゅうきはわたしのことなんて…うう…あのときも…」
「ほーれ、いっき、いっき、いっき！」
「と、殿…勘弁して下さい、飲酒運転はいけないんですよ…」
「そりはえんじんつかってないからいーんだ」
「なんかもっともらしいけど！いやいや、殿…酒くさっ！」
「わ、待て逃げるなたいｓ…」
「ぐほーん！おまえ…おきてたのか…！」
「しまっ…！てか、どっかで見たことあるなこの光景…」
「あるじのさけがのめぬというのかー！」
「はわ！に、逃げるぞ太史慈！」
「う、うん！」

逃げようと必死に足を動かす二人、しかし酒の威力は恐ろしい…
何処までも追いかけてくる周瑜と孫堅、
ときおり、周瑜は涙と鼻水を撒き散らしながら

「うわー…追いかけてくるよ…はぁ…はぁ…」
「いいから走れって、捕まったら肝臓ガンになるまで飲まされるぞ」
「酒ってそんな作用あんの？！」
「…適当だ、信じるな」
「……逃げよう！」
「まてーふたりともー、わたしのぐちをきけー」

どっかのホラー映画じゃないんだから…壁に追い詰められてしまった
目を回しながら酒瓶を片手に追いかけてくる二人…
そこへ…

パカン！！！


「…ぐちなら…俺が聞きますよ、素面の時にね！」


正義のヒーロー、参上！

周泰がサンタの帽子のズレを直しながら亡者（周瑜と孫堅？）の頭をはたいた
亡者（孫堅と周瑜？）はぱたりと行動を止めた

「へへん、ヒーローは遅れてくるものだからね」

そしてもう一人

「なんだよ！俺のいない間に面白いことになりやがって！」

一足遅れて孫策もかけつけた、太史慈は二人に現状を報告する

「…と、いうことで…助かったよ、ありがとう」
「ふーん、俺たちが準備してる間にそんなことが…」
「準備？何の話だ？」
「周泰と俺で話し合って決めたんだ！あのな…」

…

「…う…」

刺すような頭痛で孫堅が目を覚ます
…そこには、一面に広がるイルミネーション

「…？な、なんだこれは…」
「殿！おはようございます！」
「周泰、太史慈に虞翻…それと、策…？」
「やっと目を覚ました…殿は酒癖が悪いから心配したんです」
「…ああ、そうか…昨日…」
「あ、覚えてるなんて珍しいな」
「それで、このキラキラはなんなのだ？」
「これはですね、殿…」

「「「「メリー、クリスマス！」」」」

ぽん、とクラッカーが鳴った

「殿…ボスになりたいとか言っておいて、
本当はプレゼント貰う立場になりたかったんじゃないかって
俺と孫策どので話し合ったんです、
虞翻先生と太史慈にも後から協力してもらって、パーティーしようって！」
「お、お前達…　…　…」
「？なんだオヤジ、嬉しくないのかよ」
「…さすがに、男ばっかりでパーティーというのは…」
「……そういうと思って…ちゃんとつれてきてます」

テーブルを挟んで目の前にある扉が開くと妻、娘、孫…
自分の愛する家族が入ってきた

「お、おまえら…」
「てことで、殿たちはここで楽しんでください
　俺達は邪魔になるからもう帰ります…　…酒飲まされても嫌だし」
「そういうことです、毎年クリスマスは忙しかったらしいし
　今年のクリスマスは、家族サービスしてあげて下さい」
「たいしじ…ぐほん……うっ…」
「じゃ、片付けに必要になったらいつでも呼んで下さいね！」
「オヤジ、俺は参加してもいいよな！そこの肉とってくれ！」
「しゅうたい…さく…は、だめだ」
「えー！」
「はは、冗談だ…４人とも、邪魔などということがあってたまるか
　皆私の大切な重臣だ、ほら、共に飲もうじゃないか」
「「「…殿…！」」」

朝なのでお酒は控えめに、テンションは押さえずに
君主様とその家族…それと、３人のおまけつきで
今年のクリスマスを楽しんだのでした
皆、酒に溺れて倒れている周瑜のことなど忘れて…

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終