FE暁：リアネサ13 - 哀羅イラ

2008/03/08 (Sat) 00:02:17

☆暁ED後…ネタバレ？→　　　　…結婚二年目



「なぁ、ニアルチ」
「なんでございましょう？」
「………あの…」
「！坊ちゃまが困っておいでだ！一体何があったのか爺めに話して下され！」
「…めんどくせぇ……いや、それどころじゃねぇな、あのよ…」
「さぁさ！一体いかがなされましたかな？ぼっ・ちゃ・ま☆」
「………っ……あのよ、リアーネの誕生日って、何時だ？」


『りめんばー・みー』


「去年確か…この位の時期だったと思うんだが
　今日は何の日か知ってるって唐突に聞かれて…あいつの誕生日で…
　その後何週間か口利いてくれなかったんだ」
「ほうほう…それはそれは…」
「…で、確かこの位の時期だったと思うんだけど、お前なら知ってるだろ？」
「それはもう！ぼっちゃまとお嬢様のことで知らないことなど…」
「で、いつだ？」
「…昨日ですじゃ！」

ニアルチが冷や汗をたらすと同時に、ネサラは何処かへ飛び立っていた

…
「（やばいやばいやばいやばいやばい…どーりで昨日から機嫌悪いわけだ…）」

そんなことを考えながらネサラは宝石店を巡り
おしゃれな指輪とありったけ豪勢な花束を買って
家までのこれ以上になく遠い道のりを羽ばたき続けた

「リアーネ！！！」

まだ肌寒い中、汗ばんだ手で扉を開けると
ロコツに機嫌の悪い嫁…つまりリアーネがいた

「リアーネ！あの…誕生日…」
「…ぷい」
「（…っ…ぐさっとくるぜ…そういや去年も…）…な、なぁ、これ…」
「…いらない…」
「え？」
「…ものより…わたすもの…ある…」
「…はぁ…」
「………ねさらのばか！！！」
「はぁ？！わ、痛っ！ちょ、待て！謝るから！俺が悪かったって！」
「ばか！きょねんも…おなじ、と…いった…」
「そ、そうだったけか？いや、ほんと！ごめんって！」
「ばか！ねさらなんかしらない！」

…こりゃ相当だな…
飛んで来た枕をもふもふしながらそんなことをネサラは考える
…ラグズ、中でも鷺と竜鱗は寿命が長いことで有名だ
だからベオクの奴らとはかなり年月の感じ方が違うわけだが…
年の数え方は同じなわけで、そこがまた厄介なわけで
１年でもベオクより鷺の方が短く感じるからよく覚えてるけど
誕生日は平等にやってくるんだ
…こんな不平等ってありですか？

「なぁ、謝ってるじゃないか…許してくれって…」
「…しらない」
「ら、来年こそどっか美味い物でも食いに行こうぜ、二人で！」
「…べつに、いい」
「じゃぁさ…今からでも何か食いに行こうぜ！」
「…おなか、すいてない」
「うう…いや…ほんと…ごめんって…」
「………」
「…ぅぅ…」
「…ねぇ、ねさら…」
「！あ、はい！」
「………………　　　　　…　して？」
「…へ？」
「……なんでもな！」
「いやいや！なんだよ！何でもするって！」
「……………」
「…（…こうかな？）」

後からとりあえず隙だらけだったので抱きついてみる
少ししてから気付いたけど
これ怒られたら避けようがないなって…
完全なる諸刃の剣だ…まいったぜ…
とかネサラは思いながら冷や汗をかく

「……きもち」
「…気持ち？」
「…きもち、こない…」
「……えーっと……；」

そっか、モノだけじゃなくてココロの篭った言葉がほしかったんだな！
これで少し解決に近付い…

「……す、好きだ…」
「………」
「…リアーネさん？」
「…　　　…して？」
「え？いや、聞えな…」
「…ちゅーして？」
「…あぅ…なんか…ごめん…」

言われるがままそっとキスしてやると、いつもの笑顔が少し戻った

「…へへ……」
「…どう？」
「……ん、いい、ゆるしてあげる」
「ありがとう…」

情けなさすぎるって
かの（元）鴉王様も嫁さんには適わないって
そんな話

「でさ…これも、受け取ってくれないかな？」
「ゆびわ…きれい…」
「お気に召したようで…ほっ…」
「ありがと…ねさら」
「いえいえ、当然の事をしたまでですよお嬢様？」
「…うん、そだね」
「はは、ったく言う様になりやがったぜ」
「へへ…」

「…あ、そう言えばさ」
「なぁに？」


「お前、幾つになったんだ？」


その後、何ヶ月か口を利いてくれなかったのは言うまでもない

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終