日ムシ-文置き場

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三国志大戦(呉)とかFE(リアネサ)とか諸々の文を置く非公式な場所、コメント歓迎、荒しさんはヤメテクダサイ。

三国志大戦:呉7 - 哀羅イラ

2008/11/25 (Tue) 22:38:15

☆虞翻視点、時期モノで勤労感謝の日



そろそろ炬燵が恋しくなるこの季節
日が高く昇り、俺の部屋には冷たい隙間風が吹き込んでいた



『ありがとうの行方~08勤労感謝の日』



「…くしゅん!」

風邪をひいたか…まったくこの時期乾燥してていかん
仕事中だというのに、困ったものだ
……いや、違うな…
この感じは…

「虞翻ーっ!」



「なんだ、いるじゃないか」
「殿…」
「今日は何の日か知っているか?」
「………奥方の誕生日」
「!!!マジで?!!」
「嘘です」
「…脅かすな」
「で、何の用ですか?」
「今日は勤労感謝の日だ」
「正しくは昨日です」
「…で、勤労に感謝しようと思ってな、お供せい!」
「……はぁ」

無理矢理部屋から引きずり出されて城下町におりる
自然と民が集まってくる、これが殿の人望ってやつだ

「殿さま、今年は豊作でして…お礼と言っちゃなんですがこれを…」
「おお、ありがとう」
「殿さま、これ食べて下さい!」
「これは美味そうだ、すまんな」
「殿様、俺大きくなったら殿様の下で働かせて下さい!」
「はっはっは、そうかそうか」←なでなで

…などなど
瞬時に殿の両手は貢物(?)でいっぱいになってしまう
口一杯に果物を含んで殿はこの時が一番幸せみたいに笑っていた

「ほお、ほーら、うほん」
「虞翻です、ちゃんと飲み込んでから喋って下さい」
「… … …ん、虞翻、勤労に感謝しに行くぞ!」
「はぁ」
「とりあえず…ううん、その辺をぶらぶらしながら商店街行って…」
「遊びに行くんですか?」
「…視察だ!」
「はいはい」

取り巻きを増やしたり減らしたりしながら町を進む
まったく殿も暇だよな、勤労感謝の日だからって感謝しに行くんだもん
…感謝される側にまわろうとか考えないのかな、暇なわけないんだから…

「ふほん」
「虞翻です、ちゃんと飲み込んでから喋って下さい」
「… … …ん、虞翻、気づいたぞ」
「なんですか」
「感謝しきれないことに」
「…はぁ」
「この国は熱心な民が多すぎる!感謝しきれんではないか!」
「結構なことじゃないですか」
「ということでそろそろ帰るか」
「………」
「あれ、怒ってる?」
「怒ってます」

仕事中に引きずり出されてなにもしないで帰るなんて
怒らない方が不自然じゃないですか?

「…帰ろうか」
「帰ります」
「待てって」
「待ちません」
「すねてるのか?」
「すねてません」
「ごめんって」
「別に謝ってほしいわけじゃないです」
「………じゃあ、これあげる」
「殿がもらったものじゃないですか」
「ううん…仕方ないなぁ…」
「?」
「毎日お疲れ様、ありがとう!」
「………は?」
「皆に平等に感謝しようと思ってもしきれないからなしにしようと思ったのだが…
 虞翻がすねてるみたいだから、特別に口に出そうと…」
「…意味がわかりません、別にすねてるわけではないと…」
「いいのいいの、まぁ気持ちだけでもって」
「本当に気持ちだけですね」
「だって、物は受け取ってくれなかったから」
「だってそれは民のものじゃないですか」
「民のものは私のもの」
「この人最低なこと言った…」
「まぁ…機嫌直ったみたいで良かった、じゃ、ついでだから飯食っていくか?」
「………ふぅ……何も言わずに飛び出して、奥方の食事を口にされないんですか?」
「ううん…まぁでも、その位おごらせてくれよ」
「俺はいいですから、早く帰って奥方の主婦業に感謝してきて下さい」
「…そっかな、そっか、そうだな、じゃ、帰る」
「単純な…」


じゃ、と言って殿はそのまま走り去った
ここに長くいる間…随分振り回された気がするが
機嫌まで上手いこと振り回されるようになるなんて
俺も変わったのかなとか思うと恥ずかしくて

殿が帰る背中を見送ると、ひとつ風が吹いてゆく
そろそろ炬燵を出そうかなと思ったけど、今日は必要なさそうだ

たった5文字の感謝の情が、こんなにも暖かいものだと知ったから


かいせつ。 - 哀羅イラ

2008/11/25 (Tue) 22:46:02

久々大戦文、特に何も
勤労感謝の日ってことで考えたけど
ブログの更新日も振り替え休日だしさらに一日遅れてみました

そろそろ冬ネタも書きたいなぁ
火鉢の前で丸くなる虞翻先生と近寄れない鳥(焼けるから
でそれを可哀想に思って寒いけど外に出る虞翻先生
…ううん、自給自足っ☆

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